–トルコ、ギョレメ
ギョレメ屋外博物館へと向かう一本の道。
その先、ギョレメ屋外博物館のすぐ手前にひとつの建物が存在する。ぽつりと立てられた看板にはこう書いてある。
「International UFO Museum」
直訳すると国際UFO博物館だ。正直、「国際」は言いすぎではないかと思う。
好奇心と「ネタになるかも」比率2:8くらいの勢いで尋ねてみたところ、物静かなお兄さんがたった一人で公開していた。「トルコの矢追純一」と命名。
博物館内部は多くが新聞、雑誌の切り抜きで、トルコ語だからさっぱりわからない。他にはUFO、ミステリーサークル、キャトルミューティレーションなんかの写真。
特筆すべき点は、等身大の宇宙人の人形があることだ。しかしどうやら手作りらしく、ディティールは正直ショボイ。等身大というところにお兄さんの執念を感じる。それにしても、宇宙人が人間を手術台に乗せて何かしてるようなジオラマ(等身大)があるのだけど、人間は普通のマネキンだった。このチープさが絶妙でたまらない。また、等身大の宇宙人がひっそりと壁の隙間から覗いていたりと、突っ込みどころ満載だ。
ひととおり見て回ると、お兄さんがお茶をご馳走してくれた。どうやらヒマらしい。「お客はよく来るの?」と聞くと「いや、来ない。おかげで貧乏だよ」と言っていた。まあそうだろうな…
聞くところによると、トルコ、とりわけカッパドキア地方はUFO目撃例が多いそうだ。お兄さんも何度も見たことがあると言う。僕はUFOを見たことがないので、そんなに多いなら今飛んできたりしないかな、とお茶を啜っていたけど、生憎青空には何も飛んでこなかった。
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