–タイ、チェンマイ
誰も彼も、頭からつま先まで、ずぶ濡れにならない人はいない。
トラックはこの日戦車になる。バケツが大砲だ。
供給源は旧市街を囲む濠の水。軽く5杯分は飲んだと思う。でもピンピンしてます。
赤ちゃんからお年寄りまで全員参加の3日間、一番楽しんでいるのはやはり若い人だ。どうやら水を掛けることは、相手の幸せを祈ると同時に意中の人の気を引くという意味もあるとのこと。男の子は女の子に、女の子は男の子に。
どんなにひどい掛けられ方をしても、濠に突き落とされても、大半は笑って済ませるのが暗黙の了解だ。でもやはり中にはブチ切れてしまう人もいて、あちこちでムエタイの試合が発生していた。また、交通事故や溺死など、毎年ほぼ必ず死者も出る。それでも皆この祭りが大好きな気持ちが僕もわかる。笑いすぎて腹の痛い3日間だった。
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