–イタリア、ミラノ
さて翌日。今度はしっかり計画通りに見て周り、大満足してミラノへ。
ヴェネツィアは切符を破棄してしまったせいか行く気が失せてしまって、結局取りやめた。思えばイタリアでは、最初に行こうと決めていた街には行かずじまい、一旦諦めた街やよく知らない街にばかり立ち寄っている気がする。
僕は間違いなく天邪鬼な性格だし、突然目的地を変更するのは気持ちいい。まるでスケッチブックの新しいページを開くような気分だ。
ミラノのドゥオモは期待に反して広場側が全面修復中で、何の風情もないシートが被せられていたが、反対側の壁面や入り口の扉には素晴らしい彫刻を見ることが出来たし、もちろん内部の素晴らしさはなんら色褪せていなかった。美しいステンドグラスの数々、全部で55枚ものステンドグラスが聖堂内を照らし出している。特に気に入った一枚は、後陣にある巨大なステンドグラスではなく、身廊の左手に並ぶ内の一枚だった。
上半分には舞い降りる天使達が描かれている。最上部にはラッパを吹き鳴らす天使、白い馬に跨った天使の下には槍を携えた天使達が。そして下半分には様々な不吉な姿をした生き物達が描かれている。悪魔だ。黙示録かな。右下でその様子を見ながらおののいている人間は誰だろう?
ステンドグラス写真、ボケててスイマセン。
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