–インド、コルカタ
マザーハウスでのボランティアに参加した。僕が向かったのは「死を待つ人の家」だ。
午前中は大半の時間を衣類の洗濯に奪われる。余った時間で、おじいちゃんたちのトイレの世話やマッサージ、話し相手になったりする。
ざらざらのごつい手をマッサージしていると、その人の生きてきた時間が感じられてとても重く感じる。僕も将来はこんな手になるんだろう。それまでの時間は気を抜いてるとあっという間かもしれない。
ベンガル語でおそらくはお礼を言われて心が揺れた。
彼らのためというよりは自分のためにこのボランティアに僕は参加していたからだ。
「Love one another as I have loved you」というマザーの言葉を最初勘違いして「Love one another as you love yourself」だと思っていた。僕にとってはこっちのほうがしっくりくるように思えた。
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