–エジプト、バハレイヤ
カイロから南西に約450km、バハレイヤオアシスとファラフラオアシスの間に、黒砂漠、白砂漠という奇景が広がっている。
僕たちを乗せたジープはさしあたって黒砂漠へと向かう。バハレイヤオアシスの中心的な町、バウーティの周りは既に一面砂漠地帯なのだけど、次第に地面が砂鉄でもばら撒いたように黒ずんでくる。どうやらこの黒いものは玄武岩の砕けたものらしく、辺りの地面、特に山は著しくその黒い瓦礫に覆われている。とりあえず登ってみた。360°何も無い。世界の終わりのような景色に、一本道が南北に伸びているだけだ。
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