1万キロのすれ違い

1万キロのすれ違い

–ベルギー、ブリュッセル

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 ベルギーは…首都ブリュッセルは、EUの本部があるところだ。と、その程度しか知らなかったりする。
 いや、もうひとつだけ。マグリットの生まれた国だ。美術のことは正直よく知らない僕にも好きな画家が数人いる。M.C.エッシャーとルネ・マグリットだ。どちらもなんだか「人を食ったような絵を描いている」というイメージだ。そのマグリットの絵がここベルギーの王立美術館にあるらしい。それは見に行かなければと大雨の中、王立美術館へ。
 …と、アレ、無い。
 マグリットの絵なんか全然無い!なんで!?いや待て、待てよ。あった。2点だけあった。しかしたった2点だけなんて!おや、もう一点あるぞ。これは知っている、有名な「光の帝国」という絵だ。しかし正確には「あった。」そこには小さなプレートと以下の説明が。「日本での展示のために現在貸出中です」
 え─────!
 ここまで来たのに、絵は日本かよ。
 そもそもこれを含めても3点しかないというのが解せない。本当なら50点以上はある筈なのに!全部日本に行ってしまっているのか?それとも来年地下1階にオープンするという「マグリット館」の準備かなんかでどこかに移動されているのだろうか?
 どちらにしても、この強烈な肩透かしに一気に力が抜けてしまった。ブリュッセルにも嫌われるのか…
 いや、と思い直す。たしか郊外に、本人の家をそのまま利用した「マグリット博物館」があるはずだ。そっちに行ってみよう。
 写真は世界三大がっかりとして有名な小便小僧。うん、小さかった。