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首都、水辺の夕食

–ラオス、ビエンチャン

 ラオスの首都ビエンチャンはそれまでに比べれば喧騒に包まれているように感じた。ただしあくまで「比較的」で、一国の首都としてはやはり小さな印象を受ける。
 バスに揺られながら受けた埃や汗を、薬草サウナで洗い流す。サウナは本当に日本と変わらず、しばらく汗を流して、水をかぶってを繰り返す。まるで風呂に入ったような気分になれる。欧州人らしきおじいさんが、普通の人の3倍くらいの時間サウナに籠っていて、大丈夫かな…?と思いながら牛乳を飲んだ。こりゃまさに銭湯だ。
 すっかり温まったところで、川沿いの屋台でビールを飲んでいると、バンビエンから一緒のバスでやってきた日本人の男の子がやってきて、一緒に飲む。川面に映る町の明かりがまるで広島を思わせて、すぐに気持ちよくなってしまった。

金色の稜線

–ラオス、バンビエン

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 ルアンパバーンで出会った人にお薦めしてもらった、バンガロー造りのゲストハウスに落ち着いた。しばらく町を歩いてネットなどをしていると、どうやらエアコンにあてられたらしくめまいがして来た。前日にルアンパバーンで明け方の冷え込みにやられて風邪をひいてしまい、一日伏せっていたんだけど、治ったと思って無理に移動したのが災いしたようだ。
 どちらにしても、さして他にすることもない町なので、部屋備え付けのハンモックに揺られていると、山の稜線が金色に輝きだした。この景色だけでも、この宿に泊まったのは大正解だと思う。とかリンゴを齧りながら考えているといつのまにか眠っていたようだ。蚊にやられまくっていた。

朝の儀礼

–ラオス、ルアンパバーン

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 ルアンパバーンは町全体が世界遺産登録されている町で、家々は欧州風やベトナム風、ラオス風のものが立ち並ぶ美しい町だ。上座仏教を信仰する寺院からは毎朝、僧たちが縦列をなして托鉢をうける。眠い目をこすって向かうと、人々はすでにお布施をそれぞれ用意して座している。
 神聖な儀礼を邪魔しないように注意してカメラのシャッターを切る。

青と緑と茶色

–ラオス、ルアンパバーン

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 パクベンからまたも1日かけてたどりついた古都ルアンパバーン。
 疲れた体を休めた翌日、クアンシーという滝へ向かう。道中30分ほど、視界にあるのは青と緑と茶色のみ。日本もずっと昔はこんな風景が延々続いていたんだろうな…
 滝は結構な高さで、それをてっぺんまで登ろうということに。「これ道?」というような場所を切り抜け、たどり着いたそこには誰も手をつけてないような瑞々しい森が広がっていた。
 滝の逆側には、ずっと上りやすそうな登山道がついていた。やっぱり道じゃなかったらしい。

メコン下り

–ラオス、パクベン

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 ようやく乗れたスローボートでメコン川を下る。スローボートと言えば聞こえは良いかもしれないが、実情はぎゅうぎゅう詰めでかなり体勢が苦しいほど人が乗っている。これに2日間。しだいに尻が痛くなってくるのは、雄大な景色で紛らわせるしかない。
 一日ではルアンパバーンまでたどり着けないため、この日は中間地点の村、パクベンと言うところに泊まることに。ゲストハウスが立ち並ぶだけの小さな村の真ん中あたりでは発電機がドコドコ回っている。とりあえず宿を取り、さてどうしようか?と悩んでいると、いきなり村中の灯りが消えた。どうやら夜9~10時以降は発電機が止まるようだ。やれやれ。
 ともあれ、疲れていたので早々に寝る。

国境を越える

–ラオス、フエサイ

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 タイのチェンコーンで一泊した翌日、ラオスへ入国する。イミグレーションも簡単に通過し、渡し舟乗り場へ。メコン川を渡ればラオスだ。
 ラオス側のイミグレーションで若干時間がかかる。なんだか人物リストを照会しているようだ。もしかして危険人物リストか…?と、後ろめたくも無いのにビクついていると、しばらく後に普通に通れた。同じルートをたどって来た日本人ツーリストに聞くと、全然そんなことなかったらしい。僕はそんなに凶悪面してるのだろうか?
 「ラオ人はたまに思い出したように仕事しますからね、それにぶつかったんじゃないですか」とその人は笑っていたけど、もしそれが本当なら逆の意味で怖い。
 ラオス入りしたはいいけど、ルアンパバーン行きのスローボートはもう出てしまっていた。仕方が無いので宿を取り、自転車を借りてメコン沿いに下ってみる。上手く降りられそうな川原があったので、座ってメコンをぼけっと眺めていると、右手の方で少年が一人、投網をはじめた。