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歩いて行けるよ?

–インド、キリガンガー

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 マニカランからキリガンガーまでの距離は地図にして約24km。まずは15km先のビリシャイニーとかいう村までタクシーで向かう。爆音で流れるインディアン・ヒップホップが楽しい。そこから先は歩きになる。差し引き9kmだ。
 なんだ意外と楽ちんっぽいっじゃないか、とか思ってたんですが甘かった。幅1mほどの道を踏み外すと50m下のパールバティ川の激流に飲まれるようなアップダウン激しい道を約3時間半。日ごろの運動不足が非常に恨め…しい…ゼエゼエ。
 ところどころで川の両岸に、または谷から谷へロープウェイが張ってあり、たまに木材がヒューンという音を立てて滑っていく。ああ…あれに乗りたいなあ…
 もうそろそろかな?と思っていたところに欧米人女性の団体が向こうからやってきたので、「まだまだかかる?」と聞いたら「すぐよ!」それを聞いて俄かに活気付く我々。ちなみにそこから1時間かかりました。このッ…!そういえば向こうは下りだったか。しまった。
 あたりは一面の山。そして川。フィトンチッドやらマイナスイオンやらがすごいことになってるんだろうなーとか思いながらてくてくと歩く。

インド秘湯ぶらり旅

–インド、マニカラン

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 ここマニカランはインドでも有名な温泉地だ。町の真ん中をパールバティ川が激流となって流れており、そこに注ぎ込む温泉の湯が白い煙を立てている。ただし僕の目的地はここではない。以前出会ったフランス人のジェジェという奴が言っていたことには、ここよりさらにパールバティ川をさかのぼると、山の上に温泉が湧いていて素晴らしい眺めを楽しむことのできる「キリガンガー」という村があるというのだ。
 ジェジェ曰く「歩いて行けるよ」とのことだったので、とりあえずこのマニカランをベースタウンにして、次の日キリガンガーを目指すことにする。

壁のような山

–インド、ブンタール

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 チャンディーガルから即バスに乗ってマナリ方面とパールバティ峡谷の分岐点にあたるブンタールという町へやってきた。とりあえず、山が高い…上方へまるで壁のようにそびえ立っている。しかもあんなとこまで!?というところまで家が建っていて、夜になるとどこからどこまでが夜空なんだか判らなくなるほど美しい。
 ここで、マナリ方面から流れるビアス川と、マニカラン奥を源泉とするパールバティ川の2つの川が合流するのだが、2つの川の色が見事に違っていて面白い。
 一晩休んで、パールバティ峡谷を抜けたところにある温泉地、マニカランを目指すことにする。

酒盛りプラットホーム

–インド、デリー

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 ビザを申請したところ、「一週間後に来い!」と言われたため、排気ガスに塗れるデリーは早々に脱出して北のほうへ向かおうということになり、オールド・デリー駅にてチャンディーガル行きの列車を待つ。どうやら到着が遅れているようで、パックの重さにも疲れてぼけーっと列車を待っていると、隣に座っている4人組のインド人が話しかけてきた。
 「どこから来たんだ?」
 「日本か。アリガトー!サヨナラー!」(さよならかよ)
 「おい、これ食え!旨いぞ!チャパティは何枚いる?」
 「インドは何度目だ?」
 「よし、オマエも一杯飲め!」
 そしてプラットホームで始まる酒盛り。目の前では、駅のど真ん中だというのにおじいちゃんが2本の線路の真ん中で放尿している。
 僕はインド人が好きだ。

建築狂の思い出

–インド、アーグラー

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 アーグラーといえばなじみが薄いかもしれないが、タージ・マハルといえば誰もが知っているインドを代表する世界遺産だ。建築狂として知られるシャー・ジャハーン帝がたった一人、彼の王妃のために作った墓廟だそうだ。
 伴侶のために、国中を2年間も喪に服させたり、国庫が尽きるほどの金をつぎ込んで想いを墓に形作る。民衆にとってはたまったものではないだろうが、そこまでやってしまうシャー・ジャハーンという人は、ちょっと格好良い。

子供達のこと

–インド、バラナシ

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薄暗い路地を駆け抜けていく子供たちを見ていた。ともすれば、どこまでも続く迷宮のような様相を見せるこの町で、子供たちはとてもしたたかに、楽しく暮らしているように見えた。
ガートで出会ったチョトという悪ガキに、出会うたびにジュースを奢ってやる羽目になったんだけど、こいつが大人10人に囲まれても一歩も引かずに口論する。かと思うと、10歳の少年らしく日本製のカメラに夢中になったりする。

ガンガー、バラナシ

–インド、バラナシ

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バラナシは広大で美しいガンガー(水質はアレだけど)と、無作為に張り巡されている狭い路地が対照的な不思議な町だ。この町の地理を覚えるのはちょっとやそっとでは無理っぽい。
夜明け前に起き出して、ガンガーの日の出を見に行く。そこには沐浴する人々、焼ける死体、儀式を行うサドゥー。路地を縫うように死体を乗せたサイクルリクシャーが駆け抜け、昼間はまとわりついて怪しげなものを売りつけてくる男たちも、川の水を掬い上げて祈る。

飽きない路地裏

–インド、バラナシ

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バラナシにて宿の屋上から下の路地裏を見下ろすと、
一人のおばちゃんが窓を覗き込んで世間話を続けている。一匹の犬が向こうから手前へ歩いてくる。世間話が終わったのか、おばちゃんが去っていく。フレームアウトしたところから2人の男が向こうへ歩いて行く。と、向こうの角から牛が現れた。さっきの犬が戻ってきて、牛に出くわして引き返す。牛が通り過ぎると、屋根から屋根へと現れたサルたちが5匹、オートリクシャーの天井をクッションにしてボヨンボヨン飛び降りていく。ゲストハウスのオーナーが帰ってきた…
見飽きない。

インド映画はドラマチック!

–インド、コルカタ

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 インドに来たら映画を見ろ、と言われていたことを思い出し、ポルトガル人のリタに「インドの人はどんな映画が好きなんだろう?」と聞いたら一言「Dramatic!」。
 そしていざ映画へ。当然ヒンディー語で字幕なんかあるわけないので、ビジュアルでストーリーを判断するしかない。でもなんだかんだ言って大げさなので、おおまかな話の筋は理解できた。
 ストーリーは、過って交通事故を起こしてしまった友人の罪を引き受けた主人公の、遺族へ贖罪、その村を仕切るヤクザとの対決、村の娘とのロマンス。あと唐突に始まるミュージカル的演出。これはお約束か。
 映画鑑賞して、わかったことが3点。
(1)女性が画面いっぱいにダンスを始めると客席大喝采。野郎どもの指笛が飛び交う。
   ヒーローが颯爽と現れたり、決め台詞をキメたときも同様の現象が見られる。
(2)半分を過ぎたころ、唐突に「休憩」が入る。皆トイレに行ったりチャイ飲んだり。
   ヒンディー語が分からないので、いきなり終わったかと思って狼狽した。
(3)どうやらインド女性は肩のショールのようなものを剥ぎ取られると恥ずかしいらしい。
 インドカルチャーは奥深い。

ボランティア

–インド、コルカタ

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 マザーハウスでのボランティアに参加した。僕が向かったのは「死を待つ人の家」だ。
 午前中は大半の時間を衣類の洗濯に奪われる。余った時間で、おじいちゃんたちのトイレの世話やマッサージ、話し相手になったりする。
 ざらざらのごつい手をマッサージしていると、その人の生きてきた時間が感じられてとても重く感じる。僕も将来はこんな手になるんだろう。それまでの時間は気を抜いてるとあっという間かもしれない。
 ベンガル語でおそらくはお礼を言われて心が揺れた。
 彼らのためというよりは自分のためにこのボランティアに僕は参加していたからだ。
 「Love one another as I have loved you」というマザーの言葉を最初勘違いして「Love one another as you love yourself」だと思っていた。僕にとってはこっちのほうがしっくりくるように思えた。