–インド、アムリトサル
ようやくパキスタン、イラン両国のビザを手にした僕はパキスタン国境近くの町、アムリトサルへ向かった。
シーク教の総本山である黄金寺院が有名なこの町では、道行く人の多くがシーク教徒の証であるターバンを頭に巻きつけている。黄金寺院をひととおり見て回り、流れてくるハルモニウムにのった聖歌にしばらく耳を傾けながら「不死の池」を足でぱちゃぱちゃやっていると、少年に不審な目で見られた。やめた。
少しは北にきたのだから、涼しくなるだろうという僕の目論見をぶち壊すかのように、照りつける日差しは強い。というか痛い。黄金寺院、ジャリアンワーラー庭園、ラダック寺院などを見て周り、早々に翌日パキスタンへ移動することにした。
ひと月ほどいたインド。地方によって様々な文化の違いを感じさせられた国だった。とはいえ僕の行ったところは極わずかで、インドを知ったとはとても言えないだろうけど。行かなかった南インドにも、いつか行ってみたいと思いながら、僕は国境を越えた。