黒づくめの人々

黒づくめの人々

–ベルギー、アントワープ

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 ブリュッセルの次は、オランダのデンハーグに移動しようと思っていた。地図上ではとても小さいベルギーを抜けてすぐ近くだ。しかし地図を眺めながらその手前の地名が目に入る。アントワープ。なにか聞き覚えがある響きの地名だ…
 調べてみるとアントワープは、かの「フランダースの犬」の舞台であるらしい。だから聞いたことがある気がしたのか。ということはあの最終回の、ルーベンスの絵がある教会があるということか。それはちょっと見てみたい!
 ブリュッセルからアントワープまで、列車に乗って約40分ほどで到着。
 少し日本語を話せるツーリストインフォのおじさんに「ブーメラン」という宿を紹介してもらい歩き出すと、道行く人々がなんだか見慣れない服装だ。ぞろ長い黒外套に黒スーツ、黒い靴。帽子もやはり黒いシルクハット。長く伸ばしたモミアゲをカールしている。アントワープの人は変わった格好をするんだなー…いや、この風貌はたしかユダヤ教徒のものじゃないか。とすると、どうやらここはユダヤ人街のようだ。
 イスラエルには行っていないのでユダヤ教徒を目にするのは初めてだ。黒ずくめの服が好きな僕はそのセンスは嫌いじゃなかったけど、あのモミアゲだけは理解不能だ。