忘れじのひと

忘れじのひと

–イタリア、フィレンツェ

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 ゲストハウス・ペッシにて、フィレンツェ観光案内のページを繰っていると、不意にものすごく見慣れた顔が目に飛び込んできた。
 それは旅行に出発する前の日本で、職場で、必ず一日一回は眺めていた女性。
 ボッティチェルリのヴィーナス
 Adobe Illustratorを起動すると現れる彼女だ(CSになってからは顔を見せなくなってしまったが)。ああ、懐かしい(?)。なんかイヤなノスタルジーではあるが。
 この絵はここフィレンツェのウフィツィ美術館にあるようだ。これは行かなきゃなるまい。さくっと見て、アカデミア博物館でミケランジェロを見て、ドゥオモなんかに寄りつつ、夕方の列車でヴェネツィアに行く。そんな計画を立てた。もう切符は買ってある。
 しかしちょっとナメ過ぎていたらしく、簡単に狂ってしまう我が計画。
 ここはやはり超有名観光地で、今はあくまでハイシーズンだということだ。ウフィツィ美術館に入るまでの行列は3時間待ち。ようやく出たころにはアカデミア博物館は既に閉まっており、ステンドグラスが気になっていた駅前のサンタ・マリア・ノヴェッラ教会も目の前で閉館。うーん、これでフィレンツェを去るのか??でも既にチケットは買ってしまった。30分後に発車だ。
 だが。
 結局逡巡のすえ、ヴェネツィア行きのチケットは破棄。もう一泊して明日リベンジだ。フィレンツェ、このまま嫌われっぱなしじゃ終われない。
 宿に戻ってアンジェロに「ごめんもう一泊させて」と頼むとびっくりしていた。申し訳ない。