–イタリア、ローマ
ローマの町を歩く。一定の間隔をおいて、露店が出ている。偽ブランドのカバンとか、変なチョロQみたいなおもちゃとか、三脚とか。
三脚?そういえば三脚を買おうと思っていたんだった。なぜかというとオーロラ撮影になくてはならないものだからだ。使うのはしばらく先ではあるが、この先どんどん物価は上がっていくだろうし、この辺りで買っておいたほうが良いかもしれない。値段を尋ねると「30ユーロ」。
30ユーロか。物は試しと、「10ユーロ」と言ってみる。それじゃ売れないという店主。20ユーロが限度だと。まあ、また今度にするか…店を離れようとすると、店主が言った。
「How Much?」
ん?なんだこの懐かしい感覚は。この受け答え、すごい聞きなれたやりとりだ。
「どこから来たの?」
「バングラデシュ」
やっぱりか。どうりで懐かしいはずだ。インドで一日最低5回くらいは耳にしていた「How Much?」。僕は3ヶ月前バングラに行ったよ(トランジットだけど)、とか、あっちのほうから延々来たんだよ、とかしばらく話した。
最終的に15ユーロで三脚を購入。
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