–トルコ、デリンクユ、カイマクル
デリンクユとカイマクルの地下都市へ。僕のトルコにおけるハイライトはここだ。
怪しさ300%、いったい誰が何を好きこのんで地面の下に呆れるほど大規模にかくのごとく都市を築いたのか。生活していたのか。なにしろ地下150m~700mの深度だという。中は迷路のような、というか間違いなく迷路だ。なにしろ巨石の隔壁、落とし穴やダミーの通路なんかが至る所にある。ここに住んだ人々は何に脅えていたのだろう?そしてあらゆる痕跡を消し去り何処へ消えたのか。
地下都市はカッパドキアを象徴するキノコ岩や洞窟住居のように、渓谷内にその入り口があるものだと思っていたけど、全く違っていた。ではどこにあるのかというと、奇岩群からはかなり離れた、まっ平な野原の真ん中にある。「え?ここ?」という感じだ。カイマクルの方はそれでも小規模の岩の丘に入り口があるが、デリンクユは全く何もない。平地に突然下への階段があるような具合だ。
デリンクユは地下8階層まで、カイマクルは5階層まで公開されていて、2つの地下都市は地下で繋がっている。その長さはなんと9㎞。途方もなさ過ぎて驚くばかりだ。この2つの他にも地下都市はいくつか存在し、多くが地下何階まで存在するのか未だ不明。
通気口の竪穴を覗き込んでみる。暗闇が遥かに続いているだけだ。石を投げ込んでみたが、音は聞こえなかった。
地下8階層まで来ると非常に冷えてきて、Tシャツでは辛くなってくる。もっと深いところはさらに寒いだろう。どうやって暖をとっていたのだろう?
こういうものを見ると、まだまだ明らかになっていないものが地球にはいくつも残っているんだな、という気になる。いつか謎が明かされる日が来るのだろうか。解明されてほしいけど、謎のままで残っていてほしいという気持ちもある。だってそのほうがきっと面白い。
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