–パキスタン、クエッタ
午前中には戦闘機が何機も爆音を響かせて横切っていく街、クエッタでアブドゥルに出会う。
といってもアブドゥルという名前はたくさんいるようで。スタンドは使えないようだ(当然だけど)。
そのアブドゥルからの質問。
「日本ではboth boyのsexはあるのか?」
「ボーズボーイ?」
「男と男でアレをするのかってことだ」
「あー。いやー…まあ、あると思うよ、でもそういう人はほとんどいないよ」
「そういう人たちはオープンにしてるのか?」
「いや!オープンじゃないなーきっと」
「そうなのか?」
「パキスタンではオープンなの」
「パキスタンはオープンだ。珍しいことじゃない。なんでかっていうと女性とするのが難しい、そっちはオープンじゃないからだ。だから男同士でする。時には相手にお金を支払うこともある」
「マジで!?」
「ああ、お前は男としないのか?」
「しないよ!そうなのかー凄いな…アブドゥルも男のほうが好きなの?」
「いや、俺は女のほうが好きだ」
「あー安心したよ」
カルチャーショック。
そんなアブドゥルは学校の先生だった。いいのか。
しかも名門校っぽいし。
なんにせよ、子どもの笑顔はどこの国でも最高だ。
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