–インド、レー
ようやく調子が戻ってきたのはいいけど、このままでは何もしないままレーを後にしてしまいそうだ。とりあえず王宮くらいは見ておこうか、と思い出かけることに。
レーの旧王宮は、町のはずれに市街地を見下ろすようにそびえている。大きさはぜんぜん違うけどチベットのポタラ宮のモデルでもあるらしく、現在は博物館として開放されているようだ。しかし中はほとんど廃墟の様相だということを聞いて、入場料200Rsを払うのもばかばかしかったのでとりあえず入り口まで行くことにした。
10メートル歩くたびに息切れして座り込みながらも何とかきつい坂道を向かう。おじいちゃんとかこういう辛さなのかな。でも高いところから見下ろすレーの町並みやその向こうに広がる月面のような風景、抜けるような青い空はとても素晴らしかった。レーに来てよかった、と初めて思った。
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