空中温泉

空中温泉

–インド、キリガンガー

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 ようやく到着したそこは高い山の丘の中腹に温泉が湧いていて、そこに浸かりながら絶景を眺めることのできる、まさしく天国のような場所だった。
 体を流してから湯船に浸かると、全身から疲労が染み出ていくかのようだ。
 正面には壁としか表現できない山、てっぺんに残る雪が溶け出してそれがいく筋もの細い滝を形成して、パールバティ川に流れ込むパノラマを見ることができる。
 辺りには牛と鳥、少し下のほうでは単調なリズムで石を打つ地元の夫婦が一組見える。その他に何もない。青い空と山。天国としか形容ができない語彙力が情けない。

 同行者と協議した結果、今日中にマニカランへ戻ろうということになり後ろ髪引かれる思いで立ち去る。2、3日滞在すればよかったと、実は今でも後悔している。次にインドに来た時は、一直線に目指してもいいかな、と思う。何時の事かは知れないけれど。
 下りは快調に、2時間半ほどでビリシャイニーへ到着。快調とはいいつつも、笑う膝を誤魔化すことはできなかった。がくがく。